民主化プロセスが急ピッチで進められているミャンマー。
久しぶりに訪れた主人の故郷メティッラーは、政治的な変化の影響はほとんど感じられない、今までと変わらぬ街の景色がひろがっていた。多分、庶民の多くは、諸外国で盛んに報じられている政治的な方針転換にはあまり関心がないように見える。

それでも、やや新しい車が走っている姿を目にしたり、プリントTシャツにジーンズ姿の若者が増えたり、TVや広告に韓流の風が見えたり、といった変化は見える。

そして馬車の数が減った。

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馬車は渋滞を引き起こしたり、排泄物の問題もあって、しばらく前から馬車専用の測道を通らなければならない区間も多くなった。馬車用の道は舗装されていないところも多く、でこぼこで土煙がひどいし、遅い。値段は安いが、不便さは否めず、今では乗る人がめっきり減ったという。おそらく、娘が次に来るころには一段と減っていることだろう。

だから、今回は娘と馬車に乗ってみた。主人が道でひろったのは、毛並みが美しい3歳の若い馬がひく馬車だった。手綱をひくのも若者だ。近頃、めっきり乗客が少なくなって、ぜんぜん儲けがないという。案の定、揺れるし、ほこり臭いし、遅い。でも、景色がよく見えるし、街の匂いもわかるし、ほんとに楽しかった。

家まで20分ほどの道のりで、50円ほど。
そのうち、観光用の馬車しかなくなると3000円くらいにはなるのだろうか。